フィンガースタイル・ソロギターの練習_2 [チューニング] チューニング以前の問題の場合が多い?
最初から読むかたはこちら↓↓・左指の運指・曲練習の均一化・練習時のテンポについて
・ソロギターでの運指 ・曲全体の練習量を均一にする ・練習時のテンポ
について投稿させて頂きました。さて今回は「チューニング」です
「ソロギターの練習」なのに…チューニングですか?
そうです、とにかくギターを持ったらチューニングです。
練習の途中でも本番の曲の間もチューニングします。練習の最重要項目です
なら、[曲の練習方法]_2 じゃ無くて最初に言えよ
うッ …
大前提
弦を巻き上げてチューニングします。ゆるめながらチューニングしてはいけません。すぐに狂います。
例えば5弦のAが少し♯している場合、一度大幅にゆるめてから巻き上げます。ゆるめ具合は「特に狂いやすいガット弦」の私は半音から1音位です。
アコギ・ガットギターのチューニングについて
「ソロギター」でも「バンド演奏」でも基本的なチューニングは勿論同じです。しかし、あくまでも”基本に関しては”です
さて、バロック時代、ギターの弦が本当にガット (羊などの腸で作った弦。すぐにチューニングが狂う!) だった頃の言葉が残ってるそうです。大体の記憶ですが↓↓
「(ガット)ギター弾きは人生の大半をチューニングに割いている」
正確ではありませんが、このような言葉を音楽本で読んだ記憶があります(き、記憶が…)
フィンガースタイル・ソロギターの練習 [曲の練習方法]_1 で、ジャズ・ギタリスト 渡辺香津美 氏 の言葉を紹介してますね
「気が遠くなる位遅いテンポで練習する」
実はこれにはもう一言最初にありまして「しっかりとチューニングして」が最初に付きます
「しっかりとチューニングして、気が遠くなる位遅いテンポで練習する」
チューナー持ってますからね、大丈夫ですけど…ね♡
あまーい 甘すぎるぜ
チューナーについてはこちら↓↓
★「ギター・チューナー」アコギやガットギター弾きの場合
★「ギター・チューナー」_2 クリップ式・チューナー「 FENDER / BULLET TUNER チューナー 」
こちら↓↓無料のBOSSチューナーアプリ
今は便利な小型のクリップ式チューナーが普及してますね。最近のエレアコ・エレガットならチューナー付きが多いでしょう
これで安心してはいけません。
問題は
・楽器の調整
・弦の押さえ方(押弦)
・チューニングの仕方です
冒頭で書いたようにチューナーで開放弦を合わせて終わりな方はもう一歩踏み込んでチューニングについて考えてみてください
ギターのチューニングの前提<完全には合わない>
1つの音(基音)を出すと、一定の規則で「倍音」が自然に発生します。「自然倍音列 (純正律)」と言い途中(第7倍音)からピアノやフレットがあるギターの音と少しずれます。そこで1オクターブを12等分して平均的に合わせている。つまり、本当は合って無いわけです。
ギターの場合この誤差の処理がチューニングの上手い下手になるのだと思います
解りにくいぞー
チンプンカンプン…
ここはスルーで大丈夫です。
興味のある方は下のリンクでサウンドハウスさんの解説を観てください
平均律・純正率についてはここでは趣旨が違いますのでここまでにしますが、気になる方は
とてもとても簡単に解りやすくまとめたサウンドハウスさんのページがありますので紹介します(キーボード関係のページですが参考になります)
チューナーで判る!「平均律」と「純正律」って?
このチューナー↓↓ 文字Aの下 ▼ の左右にある小さめ ▼ がポイントでした
チューニング以前の問題点
楽器が問題の場合
チューナー使用で開放弦 E A D G B E が合っている状態から始めます。
開放弦でチューニングしたのに、コードを押さえたり、ハイポジションにいくと響きがいまいちな時はどういう事が原因でしょうか。
チューナーonのまま開放弦以外を押さえてみましょう
フレット音痴
相当致命的。安いギターにありがちでフレットだけでなく指板張り直す事になります。新しくギター買ったほうが良いかもですね。大切な楽器場合高額修理になってしまいます
ネックの反り・高すぎる弦高
例えばネックが極端に順反りしていると部分的に弦と指板の距離が離れてしまい押さえるとピッチが上がります。トラスロットである程度は調整可能ですが、限度があります。
通常の演奏法での高すぎる弦高も同様です(ボトルネックでのスライド等敢えて弦高を高くしているのは例外)サドル部分の削りはメンテナンスをしてくれる楽器屋さんに頼んだほうが無難です。難しいです
弦長調整 オクターブピッチ
エレキギターは通常ブリッジのサドル部分でオクターブピッチ調整ができるようになってますが、アコギのサドルは一般的にはできません。ブリッジに溝があるタイプ(アコギ)は溝の深さで調整可能?かもしれませんが、熟練者でないと無理でしょう。
比較的高級品ですがブリッジで調整されているアコギやガットギターもあります。
写真は↓↓オクターブ調整がされているエレガットのサドル例
Ovation USA Classic 1863 赤い線がサドルの1番上の位置
弦が古いまたは、新しい張りたて
弦が古いとピッチは狂います。張りたては仕方ないので落ち着くまで引っ張ったりします
演奏者の問題
押弦(おうげん)の力加減
・力が入りすぎてピッチが上がる。特にコードを押さえる時に力を入れすぎた場合等。
どの程度力を抜いて良いのか、弦がビビらないか確認してみましょう。力が入りすぎると練習もすぐ疲れますし、指も痛くなります。
押弦の位置
・押さえるフレットに対しての左指の位置が良ければ力も抜きやすくビビりも少ない
また、フレット間の真ん中を強く押さえるとピッチが上がりやすいと思います
★以上チューナーで開放弦を合わせても楽器のコンディションや演奏の仕方でチューニングがあまくなる事はよくあります。日頃から意識していることがたいせつです
おまけ、フィンガースタイル・ソロギターのチューニング
初心者の方は、ここから参考程度に流してください。あまり神経質になると楽しめないです。耳が慣れてきて聞く力がアップすると自然に感じる事だと思います。
ギターソロではない「ソロギター」での個人的考え
さて、もう少し深く面倒くさく考えると。演奏する曲・その曲のキーで良く使用すポジションを綺麗に響くようにします。
ここからは上記「チューニング以前の問題点」をクリアしていて、チューナー使用で開放弦 E A D G B E が合っている状態が前提です
私はソロギターの場合、開放弦に頼ります。演奏が楽になるからからです。
そういう意味でも皆さんご存知の基本的チューニング方法である「5弦5フレットと4弦開放、4弦5フレットと3弦開放…..」このチューニングである程度綺麗にチューニングできる事は大事でしょう
例-1 ローポジション中心の演奏の場合
開放弦とオクターブ違いをチェック
・6弦開放 E と1弦開放の E を確認し、4弦2フレットの E
・5弦開放 A と3弦2フレット A 5弦2フレット B と2弦開放 B
・4弦開放 D と2弦3フレット D 等々
開放弦はチューナーで合わせた後ですので、押さえた弦のほうをチューナーで確認すると分かりやすいと思います。
その曲で使用する中心になるコード、・トニック・ドミナント・サブドミナントの響きを確認しましょう
ソロギターの場合、例えばキーEまたはEmの曲でしたら、6弦と1弦の開放音 E が綺麗に響いている事が大事ですね
例-2 キーAのブルース場合
ベースに開放弦 A D E を使用します。5弦・4弦・6弦の開放と5フレットから7、8フレットの一般的ペンタトニックに使用する部分(またはご自身が良く使用するポジション)と1~3弦の8~12フレットを重点的に合わせます。
・5弦開放Aと4弦7フレット、1弦5フレットのA
・4弦開放Dと3弦7フレット、1弦10フレットのD
・6弦開放Eと3弦9フレット2弦5フレットE(1弦開放のE)等
自分の持ちネタ(良く使うフレーズ)辺りを中心にベース音との確認です
最後に
★チューナーの使用が一般的になっている現在、初心者の原因の半分以上は弦高等の楽器自体のコンデションと押弦の問題だと思います。また、最初のうちは楽器を調整するという考えが少ないのと、慣れない運指(フィンガリング)からくる弦の押さえ方の問題ですね
★ソロギターでは6弦と1弦が綺麗に合っていないと狂いが目立ちます。無意識はいけません。意識してチューニングしている事が大事ですね。
★どこまでシビアになるかですが、深く考えすぎると楽しくなくなるので「音楽的に許せる範囲」なら程々に、と思っています。音楽的に許せる範囲を意識してチューニングする事により聴く力も鍛えられます。
慣れると自然にしてる事ですので面倒ではありませんが、練習はともかくライブですとチューニングで間が空きすぎるのも問題ですしね。